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経営(ヒト・モノ・カネ)に関して定量的な分析を発信する 株式会社トランスのブログ

高評価者は「メンバー」と「管理職」でどれだけ異なるか?

 

今回は、
AI×性格診断で「入社後評価」をどれだけ予測できるか? 」(2000人規模の場合)
における分析の詳細解説記事です。

 ※関連記事は「性格診断の未来予測は再現性があるのか?(まとめ)」よりご覧ください。

 

 

「属性」によって「ハイパフォーマー」の条件は異なるか?

 

性格診断による入社後評価予測には、「属性」は関係しますか?

「管理職」と「メンバー」や、「営業」と「エンジニア」では、ハイパフォーマーの性格特性に違いがあることが多いです。

弊社ではどのような人がハイパフォーマーになりやすいのでしょう?

それでは「等級」ごとの高評価者の具体的な条件を見てみましょう。

 

前回記事では、「性格診断」×「等級」のデータを用いて「入社後評価」を予測することで、約5割の入社後評価を予測できることがわかりました。

 

今回の記事では、具体的に
それぞれの「等級」において、どのようなタイプの人が、活躍するのか?
の詳細を分析してみたいと思います。

 

 

性格診断結果の平均を集計する

まずは、企業全体における「高評価者」と「低評価者」の「性格診断結果」の違いをみてみます。以下は「評価」ごとに「性格診断」の結果を集計したデータです。

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 上記のグラフより
・会社全体では「関係構築」「サポート」の平均スコアが高い(青丸
・一方、「高評価者」と「低評価者」の違いは「実行力」「変化」(赤丸
ということがわかります。

この結果は、
会社全体の傾向(=カルチャー)に合う人が、必ずしも高評価になるとは限らない
ことを示唆している興味深い結果かなと感じます。 

 

 

「等級」ごとに性格診断結果の平均を集計する

 次に、「等級」ごとに「評価」と「性格診断」の関係性がどのようにわかるのかを見てみます。「等級」は「ジュニア層」「メンバー層」「リーダー層」「マネージャー層」の4段階に分類しています。

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グラフより、高評価者の特徴(赤丸)として
ジュニア層では「対応力」「変化」が高い
メンバー層では特徴があまりない
リーダー層では「実行力」「関係構築」が高い
マネージャー層では「実行力」「変化」が高い ※「サポート」が高すぎない
と、等級ごとに少しずつ異なる特徴が出ていることがわかります。

 

結論として
「等級」によって、評価を受けやすい性格特徴が異なる
ということがわかりました。

 

 

「等級」ごとに性格診断×機械学習で特徴を抽出する

 最後に、機械学習でより詳細な等級ごとの特徴を見てみます。
機械学習の結果は複雑なので、特徴的な部分のみを抽出します。

 

ジュニア層
・正解率が50%以上になる性格特徴はない

 メンバー層
・「人当たりの良さ」と「情報伝達」が高いと高評価確率68%
・「個々の価値を重視」が高いと低評価確率58%

リーダー層
・「結果思考」が高く「人当たりの良さ」が高いと「高評価確率45%
・「結果思考」は低いが「実行力」が高いと「高評価確率56%

 マネージャー層
・「自己評価」が高いと「高評価確率61%

 

この機械学習の結果を解釈すると
・「ジュニア層」(入社直後の若手)は、性格特徴による評価の差はあまりない
・「メンバー層」になると、周囲の人(上司)と良好な関係を築けると高評価
・「リーダー層」になると、「結果」や「実行」が求められる
・「マネージャー層」は、自分の成果に自信を持てる(周りに伝えられる)と高評価
といえるのかなと感じます。

 

※この結果は、先ほどの「平均を集計」した場合の結果と一部違う部分があります。
・単純平均の結果は「1つの人材タイプしか想定していない」前提
であるため、注意する必要があることが示唆されている結果だと考えます。(機械学習は複数の人材タイプを想定して計算できるメリットがあります。)

 

 

まとめ

 今回の企業では、
・等級によって、評価を受けやすい性格特性が異なる
・「メンバー層」は「上司との関係性」が高評価につながりやすい
・「リーダー層」は「結果思考」、「マネージャー層」は「自己評価の高さ」が求められる
という結果を得ることができました。

 

企業により、違いがある部分ではありますが、今回の結果は
「高評価」の「メンバー」が、必ずしも「リーダー」「マネージャー」で評価されない
ことの一因が表れているのかなとも感じました。
(役割の変化に応じて、資質が変わっていくのかもしれません。)

 

みなさまの企業では、求められる特徴の可視化をどのように行われていらっしゃいますか?ぜひご意見を伺えれば幸いです。

 

AI×性格診断で「入社後評価」をどれだけ予測できるか?

今回は、2000人規模の企業のHRデータを分析した結果をもとに
「性格診断から入社後評価を予測することは再現性があるか?」
という課題について考えてみます。

※関連記事は「性格診断の未来予測は再現性があるのか?(まとめ)」よりご覧ください。

 

 

「性格診断結果」で「入社後評価」は予測できるのか?

 

HRデータの活用を進めたいのですが、何から着手すればよいでしょう?

データ分析を生かしやすいのは、「採用」の領域だと思います。

前回記事を読んだのですが、弊社でも性格診断結果から入社後評価を予測することはできますか?

はい。それでは未来予測のモデルを作ってみましょう。

 

ほぼすべての会社で行われている「採用」ですが、その採用を入社後の評価と紐づけて分析しPDCAを回せている会社は意外と少ないかもしれません。

 

前回の「性格診断だけで入社後の評価をどれだけ予測できるのか?」の記事では、「“入社後に活躍する”人を採用する」ことを目標に、「性格診断結果から入社後評価を予測する」ことに挑戦し、「約6割を予測できる」可能性を示しました。

 

一方、1社だけの結果では、たまたま特異な事例であることも考えられます。

 

そこで今回は、前回とは異なる「社員数」「性格診断」の企業に対して、AI(機械学習を用いて「性格診断から入社後評価を予測」することを試み、どれだけ再現性があるのかを確かめてみたいと思います。

 

 

機械学習(AI)」で「性格診断から入社後評価を予測」する

今回も、対象企業の「性格診断データ」と「入社後評価(高評価/普通評価/低評価 の3段階)」を機械学習させてみます。

 

約2000人の対象者の「性格診断データ」と「入社後評価」を機械学習し、
「実際の結果」と「機械学習で予測した結果」との一致率(=正解率)
を確認します。

(例えば、
 「実際の結果」… Aさん:「高評価」、Bさん:「高評価」
 「機械学習で予測した結果」… Aさん:「高評価」、Bさん:「普通評価」
だとすると、正解率は50%(Aさんは正解、Bさんは不正解)となります。)

 

まず、約2000人に対し、「性格診断データのみ」を用いて、未来予測を行います。以下の表に、評価について「機械学習(AI)による予測」と「実際の結果」の関係性を示します。

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表の見方としては、「予測が高評価」で「実際も高評価だった人」(=予測が正解)は「15%」いたと読み解きます。

 

結果、正解率は「43%」(15%+13%+15%)となりました。今回のデータではランダム(=機械学習を使わない)で予測すると正解率は33%になるため、機械学習によって一定の未来予測ができるといえる結果になりました。

 

 

「入社後評価」の「予測精度」を高める

 先ほどは、2000人に対し「性格診断データ“のみ”」を使って、未来予測をしました。

 

一方、企業においては「属性」(「部署」「職種」「等級」など)によって、求められる資質が異なるため、評価を上げやすい人の特徴が変化することが想定されます。

 

そこで、次に「性格診断データ」+「等級」のデータを使って、機械学習を用いた未来予測をしてみます。早速ですが、先ほどと同様に、機械学習の予測結果と、実際の結果を比較します。 

 

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結果、正解率は「51%」(15%+19%+17%)となり、「等級」のデータを使わないとき(正解率43%)に比べて、正解率が向上しました。

 

2000人規模の企業においても属性データ(「等級」)を含めることで、
・AI×性格診断によって、「入社後評価」を約5割の確率で予測することができる
ということが確認できました。

 

※「等級」ごとに、どんな人が高評価だったのかについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

 

 

前回と今回の予測精度の違い

前回記事では「約6割」の入社後評価を予測できましたが、今回は「約5割」の予測にとどまりました。

この予測精度の違いについては、以下の3点が影響をしていると考えられます。

 

1.評価内容による違い(前回は「総合評価(主観含む)」だが、今回は「点数評価」を予測)
→ 「点数評価(各期の人事評価結果)」は短期的な業績に左右されやすいため、個人の資質からの評価予測が難しくなる可能性がある

2.企業規模の違い(前回は100人だったが、今回は2000人)
→人数が多い企業のほうが、多様な人材がいる確率が高く、予測が難しくなる可能性がある

3.予測に使用する適性試験の違い(前回はSPIだが、今回は別の試験)
→予測しやすい性格診断と、予測しにくい性格診断がある可能性がある

 

上記3点の違いを克服し、予測精度を高めていく方法については、次回以降の記事で紹介していければと思います。

 

 

まとめ

 今回、
・2000人規模の企業で、機械学習により「約5割」の入社後評価を予測
・「AI」×「性格診断」による「入社後評価予測」は一定の “再現性がある”
という結果を得ることができました。

 

「5割」だと、あまり精度が高くないようにも感じますが、
・人間が面接した場合には、全員を普通以上の評価だと思って採用している
機械学習(AI)が「低評価」と予測した場合「半数は実際に低評価
と考えると、使い方によっては、データによって人間の意思決定のサポート支援ができる可能性があると考えています。

 

みなさまの会社では、どのような採用精度を高める取り組みをされていますか?より良い人材採用にチャレンジしたいと考えておりますので、ぜひご意見をいただけますと幸いです。

 

性格診断の未来予測は再現性があるのか?(まとめ)

 

前回の記事を読んだのですが、弊社でもあてはまるものでしょうか?

会社による違いはありますが、データがあれば、予測ができる範囲はあると思います。

弊社にも適性診断の結果があるのですが未来予測できますか?

はい。それでは性格診断による未来予測の再現性を確認してみましょう。

 

最近「ピープルアナリティクス」という言葉が広まりはじめ、成果につながる「HR Tech」として注目しているという声を伺います。

前回の性格診断だけで入社後の評価をどれだけ予測できるのか?の記事では、
性格診断結果だけで、入社後評価の6割を予測できる
可能性があることを示しました。

 

今回のシリーズでは、
性格診断による未来予測はどれだけ再現性があるのか?
という観点で、実際の複数の会社のデータを用いて分析を行った結果の一部を報告します。

 

もしご興味をもっていただける企業様があれば、分析のお手伝いなどもさせていただいておりますので、ぜひお話させていただく機会をいただけますと幸いです。

 

「人数」と「適性試験の種類」が異なる場合(2000人規模)

 ※参考:高評価者は「メンバー」と「管理職」でどれだけ異なるか?

 

「マネージャー(管理職)」の場合

 

「退職」を予測する場合

 

 色々な企業における分析結果一覧

 

 

 

機械学習(AI)を使って「良い人材」を見分けられるか?

本記事は、前回記事
性格診断だけで入社後の評価をどれだけ予測できるのか?
の分析詳細です。

今回のテーマは
機械学習(AI)を使って「高評価の人材」を見分けられるか?」
という課題について深掘ります。

※関連記事は「性格診断に対するデータ分析(まとめ) 」よりご覧ください。

 

 「機械学習(AI)」は万能か? 

 

役員に「AI」をうまく使って優秀な人材を確保できないの?と聞かれました。

「どう使うか」次第かとは思います。。

なんとか役員が納得する結果を出せないでしょうか?

 

 

「AIを使って…」というフレーズが色々なところで使われています。特に「目的が定まったビックデータがある領域」においては「AI」は大変な力を発揮します。

一方、一般企業の人事領域で、「AI」を活用できる場面はあるのでしょうか?
今回は、「人材採用において、性格診断に機械学習を用いた結果詳細」を紹介します。

 

「性格診断結果」から「入社後評価」を予測する

「ディープ・ラーニング」を使って予測する 

実は(?)機械学習アルゴリズムには様々な種類があります。今回まずは「AI」と言われる元となっている「Deep Learing(ディープ・ラーニング)」のアルゴリズムを用いてみます。

 

機械学習では基本的に

  1. サンプルデータから予測の計算式を作る
  2. 予測の計算式を使って、テストデータを予測する
  3. テストデータの「予測した結果」と「実際の結果」を比較する

という流れで分析が進みます。「予測した結果」と「実際の結果」が近ければ、作った「計算式」によって、未来が予測できることになります。

 

それでは早速、実際の一般企業のHRデータに対して、「ディープ・ラーニング 」を使って予測してみます。予測はプログラムが行うので、いきなり結果です。 

 

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上記の表の見方としては、横軸に「予測した結果」、縦軸に「実際の結果」が表示されています。例えば、「実際の結果」は「高評価」なのに、「予測」では「低評価」になってしまった場合が、4%(右上のセル)というように読み解きます。

 

「予測」と「実際の結果」が一致したのは、「高評価」で14%、「普通(評価)」で14%、「低評価」で5%の合計33%(=正解率)でした。すなわち、「性格判断」に「ディープ・ラーニング」を用いることで、33%は正解することがわかります。

 

ただ、なんとなく表をみるだけでもわかるのですが、正解率は決して高くありません。実はランダムに予測した場合でも、今回のケースだと平均35%の正解率になるため、33%の正解率はランダム(=適当)に予測した場合よりも、予測できていないことになります。

 

そのため、今回の結果では
「ディープ・ラーニング」では、「性格診断」から「入社後の評価」をほぼ予測できない
ということになりました。
※もちろんアルゴリズムの調整を行うことで、意味のある結果が得られる可能性は大いにあります。

 

「それでは役員に説明がつかないじゃないか!」
というお叱りの声が聞こえてきそうですが、
「ディープ・ラーニング」はデータ数が少ないと使用してもあまり意味がない
ため、今回の結果はある意味、順当な結果なのかもしれません。

 

その他の「機械学習」を使って予測する

機械学習」は「ディープ・ラーニング」以外にもアルゴリズムがあるので、念のため、他の機械学習アルゴリズムを使って、「性格診断」から「入社後のパフォーマンス」を予測してみます。

 

以下のグラフは、「各アルゴリズム」ごとに、予測した評価の「正解率」を示しています。

 

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上記のグラフは、個人的にはあまり想定していなかった結果なのですが、一般的にもっとも精度が高いとされている「Deep Learing(ディープ・ラーニング)」が、今回は「最も正解率が低く」、逆に機械学習の中では比較的シンプルなアルゴリズムである「Decision Tree(決定木)」が「最も正解率が高い」という結果になりました。

 

決定木」を用いて予測すると、正解率59%とかなり高い精度になりました。これは、

「性格診断」だけで「入社後の評価」の「6割」を予測できる(可能性がある)

 ことを示しています。

 

先ほどと同様に「Decision Tree(決定木)」でも予測の内訳を見てみます。

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全体的に予測があっている割合が高まっていますが、特に「高評価」⇆「低評価」の予測ミスが減っていることは特徴的で、実利用する際にも使いやすいポイントです。

「決定木(Decision Tree)」は、機械学習の中でも、数少ない「計算式が単純=分類された理由がわかりやすい」アルゴリズムであるため、予測した理由を人間が説明しやすいという特徴があります。

今回も性格診断(SPI)結果において「「敏捷性」が54未満・「社会的内向性」が47以上・「懐疑的思考性」が53未満・「身体的活動性」が52以上」という4つの特徴を満たす人は、この会社では約9割の確率で高評価を受けていることがわかりました。

※むしろ、「ディープ・ラーニング」より「決定木(Decision Tree)」の方がわかりやすいため、役員に受け入れてもらいやすいかもしれません。

 

まとめ

 

機械学習」を使って、「性格診断の結果」から「入社後評価」を予測したところ 
・「ディープ・ラーニング(AI)」は効果的な結果は出せなかった
・よりシンプルなアルゴリズムを用いると予測の精度が高まった
という結果になりました。 

 

最近注目を浴びている「ディープ・ラーニング」ですが、これまでは様々な領域で、シンプルな機械学習“すら”使われていないことがほとんどでした。(「機械学習」もうまく使えば非常に強力なツールです。)

そのため、比較的データ数が少ない領域では、「ディープ・ラーニング」よりも「シンプルな機械学習」を適切に用いることで、効果的な成果を生むことができるかもしれません。

 

ちなみに今回の「性格診断」を用いて「入社後の評価」の「6割」を予測できるという結果は普通に面接すると14%しか入社後評価を予測できない?の記事で紹介した過去研究の「一般認識能力テスト」や「構造化面談」よりも高い予測精度を示しています。

 

今回の結果で、既存のデータをうまく活用することで、より良い人材採用に繋げられる可能性があると感じています。HRデータ分析のご研究をされている方がいらっしゃいましたら、是非お話をさせていただけますと幸いです。

 

性格診断だけで入社後の評価をどれだけ予測できるのか?

今回は、実際のHRデータ分析のコンサルティングを行った結果をもとに
「採用時に入社後の評価をどれだけ予測できるか?」
という課題について考えてみます。

※関連記事は「性格診断に対するデータ分析(まとめ) 」よりご覧ください。

 

 

「採用」と「入社後の評価」を紐付けて分析できていない!?

 

性格診断の結果は、採用に活用されていますか?

はい。波形をみて、自社のカルチャーに合うかをみています。

ちなみに、採用されたカルチャーに合う人は、その後活躍されていますか?

採用で一杯一杯で、なかなか入社後までは分析が…

 

採用時点の分析はできているが、 採用後の分析まではなかなかできていない企業も多いのではないでしょうか?(そもそも性格診断はしているものの、採用の意思決定には活用できていない!という声も聞きます。)

一方、「“入社後に活躍する”人を採用する」ことも採用の最重要テーマの1つ。

 

今回は、採用時に重要な「スキルマッチ」×「カルチャーフィット」のうち、「カルチャーフィット」の側面にフォーカスし、「性格診断」の結果から「入社後評価」を予測できるのかを検証してみます。

 

 

機械学習」で「性格診断から入社後評価を予測」できるか?

 

  今回、コンサルティング対象企業の「性格診断データ(SPI)」と「入社後評価(高評価/普通評価/低評価 の3段階)」を機械学習させてみます。

 

対象者(約100人)の「性格診断」と「入社後評価」を機械学習し、
「実際の結果」と「機械学習で予測した結果」との一致率(=正解率)
を確認しました。
(例えば、
 「実際の結果」… Aさん:「高評価」、Bさん:「高評価」
 「機械学習で予測した結果」… Aさん:「高評価」、Bさん:「普通評価」
だとすると、正解率は50%(Aさんは正解、Bさんは不正解)となります。)

  

以下のグラフは、今回のデータに、色々な機械学習の手法を用いた際の、手法ごとの「正解率」を示しています。

 

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※細かい「正解率」や「機械学習」の内容説明は「こちらの記事」で解説しています。

 

手法によって差はあるものの、今回最も精度が高かった「決定木(Decision Tree)」の手法を用いて予測すると、正解率59% という結果が出ました。これは、

「性格診断」で「入社後の評価」の「6割」を予測できる(可能性がある)

 ことを示しています。

 

 具体的な活用方法

今回用いた機械学習方法では、性格診断結果の各項目の数値の組み合わせで、評価を予測できます。
例えば今回の企業の場合、

  • 「敏感性」が54未満 (細かなことを気にしない)

  • 「社会的内向性」が47以上 (交際が狭く、深い)

  • 「懐疑的思考性」が53未満 (人を信頼する)

  • 「身体的活動性」が52以上 (フットワークが良い)

タイプの人の場合、19人中16人(84%)が「高評価」になっていることがわかりました。
逆に、

  • 「敏感性」が54以上 (繊細、感情細やか)

タイプの場合、21人中12人(52%)が「低評価」 でした。

 

採用時点では、もちろん「高評価」になりやすい「属性」の人を採用すべきですが、「低評価」になりやすい「属性」の人の場合には、既存メンバーと比較して「高評価タイプになり得るか」を確認することで、「採用精度」を高めることができると考えられます。

 

まとめ

今回、

「性格診断」を「機械学習」することで「入社後評価」の「6割」を予測できる

という結果を得ることができました。「スキルマッチ」の評価と組み合わせることで、さらに予測精度を高めることができるのでは?と考えています。

 

皆様の会社では、「性格診断」をどのように活用されていますか?より良い人材採用にチャレンジしたいと考えておりますので、情報・ご意見をいただけますと幸いです。

 

 

上司と部下の相性は「評価」に影響を与えるか?

本シリーズでは、「性格診断」を用いて、「高評価者」を採用時点で見分けることにチャレンジしています。

ただ今回は、少し視点を変えて、そもそも「高評価」になる要素を考えるべく
「上司と部下の相性は「評価」に影響をあたえるか?」
という課題について考えてみます。

※関連記事は「性格診断に対するデータ分析(まとめ) 」よりご覧ください。

 

 会社では公平な評価は行われているのか? 

 

評価(人事考課)はどのように決まっていますか?

直属の上司(評価者)が1次評価した後、評価者が集まって評価者間で差が出ないように調整しています。

上司と部下の性格の一致・不一致によって、評価が変わることはないですか?

「上司」と「部下」の組み合わせで、パフォーマンス(=評価)が変わる可能性がないとは言い切れないかもしれません…

 

「評価はできる限り公平に…」しているつもりですが、評価をする人もまた人間。仕組み化しても、どうしても主観的な部分は残ってしまうのが評価の難しさです。

そこで今回は、
上司と部下の「性格の一致率」は「評価」にどの程度影響を与えているのか?
について実際のデータを使って検証したいと思います。

 

 

「性格診断の一致率」と「評価」の関係性(中途の場合)

早速、今回のコンサルティング対象企業(ビジネス系職種)の「性格診断(SPI)」のデータ分析をしてみます。

今回は、上司と部下の性格診断の「一致率」(0~100%)を計算し、「一致率」と「実際の評価」の分布をみてみました。

まず、中途の場合です。

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結果をみると、
・「一致率」が100%から60%に“減る”につれ、「平均評価が高まる」
・「一致率」が「60%以下」だと「平均評価は低い」
という傾向が読み取れます。

これは、
「上司との性格の一致率」と「平均評価」には関係性がある
ことを示しています。

特に「中途」の場合には、
上司との性格が「近すぎず、また、遠すぎない人」がもっとも評価が高い
ことがわかりました。

 

「性格診断の一致率」と「評価」の関係性(新卒の場合)

同様に新卒の場合の結果を見てみます。

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結果を見ると、中途とは異なり、
・一致率が「80~90%」または「60%以下」だと評価が高まる
ということが読み取れます。

ちなみに「60%以下」で高い評価を新卒につけている人が2人いたのですが、2人とも「執行役員」でした。そのため「60%以下」は少し例外的なのかもしれません。

 

この結果を解釈すると「新卒」の場合
「上司と似ている方が評価が高い」(ただし似すぎていると評価が厳しくなる)
ということがわかりました。

 

まとめ

今回わかったことは、
上司との性格の相性は評価に大きく影響する!
ということです。

一方、「評価」が「パフォーマンス」を正確に表しているとすると、
上司との性格の相性を考慮するとパフォーマンスを向上させることができる
と言えるのかもしれません。

 

皆様の会社では、人員配置を決める際に「性格診断」を活用されていますか?「配置」は「採用」と比較すると定量的に捉えにくい領域だと感じておりますが、ぜひ「配置」についてのお考えを聞かせていただけると嬉しいです。 

 

 

性格診断の平均値をみても無駄?良い人材の見つけ方とは?

今回は、実際のHRデータ分析のコンサルティングを行った結果をもとに、
「どうすれば性格診断の結果から、採用すべき人を判断できるか?」
という課題について考えてみます。

※関連記事は「性格診断に対するデータ分析(まとめ) 」よりご覧ください。

 

 性格診断の全社平均値にどれだけ意味があるのか?

 

採用時に性格診断は利用されていますか?

はい。最終面接前に性格診断テストを受験してもらうようにしています。

性格診断テストの結果は、意思決定に活かせていますか?

「全社員の平均」とのマッチ度は見ているのですが、意思決定の基準にできているかというと難しいかもしれません…

 

「数値データ」がある場合、「平均」を計算してみることが、まず第一歩であることは間違いないと思います。

ただし、「平均は計算したけど、次は具体的にどう行動すれば良いの?」という壁にぶつかった経験がある方も多いのではないでしょうか?

 

今回は、実際の性格診断の結果データ(一部)を使いながら、どう分析すれば効果的な「意思決定」に繋がるのかを順を追ってみていきます。

 

「性格診断」の「全体平均」を計算してみる

とはいえ、まずは「平均」をみてみることは重要です。  今回のコンサルティング対象企業(ビジネス系職種)の「性格診断データ(SPI)」の平均値を求めた結果が、以下のグラフです。

 

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※項目については、株式会社リクルートマネジメントソリューションズの「SPI3」の結果を引用しています。

 

平均を求めると、会社の特徴として
1.「活動意欲が高い」
2.「慎重性が低い(=思い切りが良い)」

などの、傾向があることがわかります。

 

さらに分析を進め、社内の「高評価者」と「低評価者」の「平均」も計算しました。

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すると、全体傾向で見られた「2.慎重性が低い(=思い切りが良い)」については、「高評価者」が上回っていますが、「1.活動意欲が高い」については、「高評価者」と「低評価者」で平均値はほぼ変わりませんでした。


このように平均値を計算してみると
「なんとなく傾向はわかったけど、どうやって活かすの?」
という疑問にぶつかることになります。

 

「高評価者」と「低評価者」で「差がある」項目に注目する

「会社の平均」を見ることも重要ですが、「良い人材を採用するため」には、「高評価者」と「低評価者」の差に注目します。

以下のグラフで四角がついている場所が、「高評価者と低評価者で(統計学的に)差」が大きい項目になります。

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実際に、この4つの項目(「社会的内向性」「敏感性」「自信性」「従順性」)が会社平均以上(以下)の社員の評価は、16人中9人(56%)が「高評価」を得ており、4つの項目を見ることで、「高評価者」を一定見分けることができることがわかりました。

※会社全体の2つ特徴だけの場合だと「高評価」は30人中11人(36%)でした。

 

まとめ

今回、
全体平均ではなく、「高評価者」と「低評価者」の差を確認する
ことで、56%の確率で「高評価」になる人材を見極められることがわかりました。

ただし、この方法では該当の条件に当てはまらない人も多く、「条件に当てはまらない人をどうすれば良いか?」という新しい課題が生まれてしまいました。

次回は、同じ結果に「機械学習」を用いることで、より精度の高い「良い人材の見つけ方」を検証してみたいと思います。

性格診断だけで入社後の評価をどれだけ予測できるのか?

 

皆様の会社では、どのように「性格診断」の結果を利用されていますか?ぜひ情報交換をさせていただけますと嬉しいです。