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経営(ヒト・モノ・カネ)に関して定量的な分析を発信する 株式会社トランスのブログ

適性検査の平均値をみても無駄?良い人材の見つけ方とは?

今回は、実際のHRデータ分析のコンサルティングを行った結果をもとに、
「どうすれば適性検査の結果から、採用すべき人を判断できるか?」
という課題について考えてみます。

※関連記事は「適性検査に対するデータ分析(まとめ) 」よりご覧ください。

 

適性検査の全社平均値にどれだけ意味があるのか?

 

採用時に適性検査は利用されていますか?

はい。最終面接前に適性検査テストを受験してもらうようにしています。

適性検査テストの結果は、意思決定に活かせていますか?

「全社員の平均」とのマッチ度は見ているのですが、意思決定の基準にできているかというと難しいかもしれません…

 

「数値データ」がある場合、「平均」を計算してみることが、まず第一歩であることは間違いないと思います。

ただし、「平均は計算したけど、次は具体的にどう行動すれば良いの?」という壁にぶつかった経験がある方も多いのではないでしょうか?

 

今回は、実際の適性検査(性格診断)の結果データ(一部)を使いながら、どう分析すれば効果的な「意思決定」に繋がるのかを順を追ってみていきます。

 

「適性検査」の「全体平均」を計算してみる

とはいえ、まずは「平均」をみてみることは重要です。  今回のコンサルティング対象企業(ビジネス系職種)の「適性検査データ(SPI)」の平均値を求めた結果が、以下のグラフです。

 

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※項目については、株式会社リクルートマネジメントソリューションズの「SPI3」の結果を引用しています。

 

平均を求めると、会社の特徴として
1.「活動意欲が高い」
2.「慎重性が低い(=思い切りが良い)」

などの、傾向があることがわかります。

 

さらに分析を進め、社内の「高評価者」と「低評価者」の「平均」も計算しました。

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すると、全体傾向で見られた「2.慎重性が低い(=思い切りが良い)」については、「高評価者」が上回っていますが、「1.活動意欲が高い」については、「高評価者」と「低評価者」で平均値はほぼ変わりませんでした。


このように平均値を計算してみると
「なんとなく傾向はわかったけど、どうやって活かすの?」
という疑問にぶつかることになります。

 

「高評価者」と「低評価者」で「差がある」項目に注目する

「会社の平均」を見ることも重要ですが、「良い人材を採用するため」には、「高評価者」と「低評価者」の差に注目します。

以下のグラフで四角がついている場所が、「高評価者と低評価者で(統計学的に)差」が大きい項目になります。

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実際に、この4つの項目(「社会的内向性」「敏感性」「自信性」「従順性」)が会社平均以上(以下)の社員の評価は、16人中9人(56%)が「高評価」を得ており、4つの項目を見ることで、「高評価者」を一定見分けることができることがわかりました。

※会社全体の2つ特徴だけの場合だと「高評価」は30人中11人(36%)でした。

 

まとめ

今回、
全体平均ではなく、「高評価者」と「低評価者」の差を確認する
ことで、56%の確率で「高評価」になる人材を見極められることがわかりました。

ただし、この方法では該当の条件に当てはまらない人も多く、「条件に当てはまらない人をどうすれば良いか?」という新しい課題が生まれてしまいました。

次回は、同じ結果に「機械学習」を用いることで、より精度の高い「良い人材の見つけ方」を検証してみたいと思います。

適性検査だけで入社後の評価をどれだけ予測できるのか?

 

皆様の会社では、どのように「適性検査」の結果を利用されていますか?ぜひ情報交換をさせていただけますと嬉しいです。

 

 

※執筆者:塚本鋭

 東京大学・大学院において、複雑ネットワークや大規模シミュレーションに関する研究に従事。人工知能学会研究会優秀賞・東京大学工学系研究科長賞 等を受賞。 大学院修了後、株式会社野村総合研究所コンサルタントとして入社し、ICT・メディア領域を担当。2013年1月より株式会社クラウドワークスに8番目の社員として参画し、2014年12月に上場を経験。データ分析・産官学連携を軸としながら、B2B事業立ち上げ、カスタマーサポート部門立ち上げ、子会社副社長等を歴任。2018年より現職。