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経営(ヒト・モノ・カネ)に関して定量的な分析を発信する 株式会社トランスのブログ

「"当たる"適性検査」の選び方とおすすめの活用方法とは?

本シリーズ(適性検査は「入社後評価」や「退職」を予測できるのか?)では、
・面接(1人)の正解率:37%
・面接(5人平均)の正解率:44%
・適性検査(平均のみ)の正解率:35%
・適性検査(分布を考慮)の正解率:59%
という実例をご紹介してきました。

 

本記事では、まとめとして、
採用精度を高めるための、”当たる”適性検査の選び方と活用方法
について、考えていきます。

 

そもそも適性検査で計測しているものとは?

そもそも「適性検査」を使うと【何がわかる】のでしょうか?

 

「適性検査」は「能力」と「性格」(価値観)にわけられることが多いです。

能力」については、実際に仕事の能力を図ることが難しいため「筆記試験」が行われることになります。(ただし、前回記事のように、「筆記試験の点数」が高くても「仕事の成果が高い」わけではないことが多いです。)

性格」(価値観)については、
A.「リーダーシップ」「ストレス耐性」のように、高いほうがよい指標
B.「外向-内省」「挑戦-着実」のように、よい/わるいがない指標
の2タイプがあります。

 

ただし、「適性検査の多く」は「自己申告」(自分の回答により結果が決まる)であるという問題があります。

もちろん、検査を設計するうえで、配慮はするのですが、そもそも「自己認知力が低い人」が受検すると、「客観的に正しい結果にならない」場合も多いです。

※自分が思っていることと、周りから思われていることが違うことは、よくあるかと思います。

 

そのため、「自己申告」の検査である限り、「A.「リーダーシップ」「ストレス耐性」のように、高いほうがよい指標」の結果は、本人の主観次第であり、他人と比べることにあまり意味がない、と考えられます。

また採用時だと、どうしても自分をよく見せようとしてしまう傾向も出てきます。

※学問をベースとした多くの検査は「採用時という特殊環境」への配慮が、どの程度できているのかを確認する必要があると考えています。学問的には、適切でないと言われている検査の方が、実運用上有効であることも少なくありません。

 

一方、「B.「外向-内省」「挑戦-着実」のように、よい/わるいがない指標」の場合、「どちらの考え方に近いか」を調べる質問になるため、同じ質問を用いることで、他人との比較が比較的行いやすいと考えています。

※実際に、適性検査の「A.「リーダーシップ」「ストレス耐性」のように、高いほうがよい指標」を用いると、うまく入社後評価を予測できませんが、「B.「外向-内省」「挑戦-着実」のように、よい/わるいがない指標」だと、入社後評価をある程度予測することができるという結果も出ています。

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まとめると、「適性検査」(自己申告)は、
「本人の考え方(価値観)の偏り」の測定に適している
と考えています。

 

"当たる"適性検査の選び方とは?

「適性検査」が「自己申告」であることを考慮すると、「適性検査」が ”当たる”ためには、結果の項目に「よい/わるいがない」方がよいと考えられます。

 

採用する際の要件において、「スキル・経験」と「価値観(考え方)」があるとすると、以下のようにマッピングできます。
※右下や左上のどちらを採用するかは、こちらの記事も大変参考になりました。

 

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※ここでいう「価値観」は「よい/わるい」がない指標なので、「リーダーシップ」や「ストレス耐性」など、ほとんどの場合に高いほうがよい指標は「スキル」に含まれます。


※「価値観」は面接でも取得可能ですが、全員に同じ質問をして定量的に取得する面においては、【適性検査】も優れた部分があります。

 

適性検査のよい活用方法とは?

「適性検査」が「価値観」を図るものだとすると、価値観は組織ごとに変わるため、
「自社の価値観(行動指針)を定量化し、自社の価値観とどれだけあっているか?」
を確かめることが、「適性検査」を用いて入社後評価を"当てる"ために、効果的な使い方となります。

 

以下の手順を実施することで、適性検査活用の精度が高められる可能性があります。

1.「よい/わるい」がない指標を使っている適性検査(項目)を選ぶ
2.既存社員に適性検査を受検してもらい、自社で「活躍できる価値観」を定量化する
3.応募者が、自社で「活躍できる価値観」にあっているか否かを見極める

※「入社後」に受検する場合には、「よい/わるい」があっても、適切な結果を得られることもあります。

※自社の「活躍できる価値観」は、「高評価者」と「どれだけ似ているか」だけでは測れない場合があるので、定量化する際には注意が必要です。( 参考記事

 

まとめ

今回は、適性検査の選び方と活用方法についてみてきました。

本シリーズ全ての分析を踏まえると
・「価値観」を定量的に取得すると、組織として再現性が高まる
 ※もちろん面接でも取得可能だが、俗人性が高まるので、「適性検査」は効果的
・「適性検査」を分析する際には、分析方法に注意が必要
 ※単純に高評価者と似ているだけではダメ、「平均」だけでなく「分布」の考慮が重要、など。
といえると考えています。

※また当然ですが、採用精度をより高めるには、「面接」における「スキル・経験」の見極め精度の向上も重要です。

 

採用精度の向上について、ぜひ皆様のご意見・ご感想をいただけますと幸いです。

 

 

※もしまだ「適性検査」のデータ取得を試されたことがない企業様には、ぜひ採用精度が向上する可能性があるか試していただければと考えております。(弊社で開発している「TRANS.適性診断」を、30日間無料で提供していますので、ご興味をもっていただけましたら、ご連絡いただければ幸いです。)

 

※執筆者:塚本鋭

 東京大学・大学院において、複雑ネットワークや大規模シミュレーションに関する研究に従事。人工知能学会研究会優秀賞・東京大学工学系研究科長賞 等を受賞。 大学院修了後、株式会社野村総合研究所コンサルタントとして入社し、ICT・メディア領域を担当。2013年1月より株式会社クラウドワークスに8番目の社員として参画し、2014年12月に上場を経験。データ分析・産官学連携を軸としながら、B2B事業立ち上げ、カスタマーサポート部門立ち上げ、子会社副社長等を歴任。2018年より現職。