TRANS.Blog

経営(ヒト・モノ・カネ)に関して定量的な分析を発信する 株式会社トランスのブログ

「適性検査」で「休職」や「退職」をどれだけ予測できるか?

今回は、様々な会社におけるストレスによる休職・退職者300人の調査結果から
個人の資質と「休職」「退職」の関係性
について、分析した結果を報告します。

 

「個人の資質」と「休職」「退職」は関係するのか?

「適性検査」を使って、「ストレス耐性」を図ることは可能でしょうか?

人によって「ストレスを受ける因子」は異なるかと思います。

「適性検査」からストレスによる「休職」「退職」を予測できますか?

どの程度予測できるのか検証してみましょう。

 

採用には多くのコストがかかるため、企業が採用する際に
・できる限り長く自社で活躍してほしい
・自社において、休職・離職しにくい人を採用したい
と考えている場合も多いです。(卒業前提の会社もありますが。)

今回は、
個人の資質によって、「休職」「退職」のしやすさはあるのか?
について、実際のデータを用いて分析してみます。

 

ストレスによる「休職者」「退職者」の特徴

今回、弊社適性検査を用いて、ストレスによる休職・退職者300人を分析し、個人の資質と、休職・退職の関係性を分析しました。

同条件で取得した1000人の適性検査の平均を「0」としたときに、「休職者」と「退職者」の試験結果を示すと以下のようになります。

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グラフより
・休職者は「内省」「規律」「ストレス」が高い
・退職者は、「内省」「ストレス」がやや高い
という結果になりました。

※「内省」の特徴:少数の人と深い関係を構築する、一人で深く考える
※「規律」の特徴:決められた通りに正しく行う、一貫性・公平性を重要視する
※「ストレス」:ストレスの感じやすさ(独自指標)

 

結果より、
ストレスによる「休職者」「退職者」は、一定の傾向がある
ことがわかりました。

 

ストレスによる「休職者」「退職者」を予測できるか?

先ほどの特徴を踏まえて、機械学習(AI)を用いて、休職者・退職者の予測を行ってみます。休職・退職の発生率を「100」としたときの、予測正解率を以下に示します。

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グラフより
・「休職者」は、適性検査を用いることで、通常の約4倍の確率で予測ができる
・「退職者」は、適性検査を用いても、予測できる確率はあまり高まらない
という結果になりました。
※予測できた休職者は、休職者全体の約2割でした。

 

これは、ストレス起因の休職・退職について
休職の約2割は、会社に関わらず、個人の特質が影響している
 ※ただし、休職のうち8割は、適性検査では予測できない
・退職には、個人の特質はあまり影響しない
可能性があることがわかります。

 

一方、過去の分析事例では
「会社ごと」に分析すると、「退職しやすい個人の特徴」が存在する
ことがわかっています。

そのため、今回の分析と合わせて解釈すると
ストレス起因の退職には、会社(仕事)と個人の”相性”の影響が強い
可能性があることがわかります。

 

まとめ

今回の分析では、ストレスに起因する休職・退職について、
・(会社に関わらず)休職につながりやすい、個人の特質は一定ある
 ※「一人で考えるタイプ」「規律を重んじるタイプ」は要注意
・退職には、会社(仕事)と個人の”相性”の影響が強い
 ※個人の特徴のみでは、ストレスによる退職は予測しにくい
可能性があることがわかりました。


「退職」につながるストレスについては、「会社との相性」が重要という点は興味深いなと感じます。相性の良し悪しを定量化することで、採用時のミスマッチを減らすことができる可能性があると考えております。

 

みなさまは、休職・退職に対して、どのような対策をされていますか?ぜひご意見いただければ幸いです。

 

 

※執筆者:塚本鋭

 東京大学・大学院において、複雑ネットワークや大規模シミュレーションに関する研究に従事。人工知能学会研究会優秀賞・東京大学工学系研究科長賞 等を受賞。 大学院修了後、株式会社野村総合研究所コンサルタントとして入社し、ICT・メディア領域を担当。2013年1月より株式会社クラウドワークスに8番目の社員として参画し、2014年12月に上場を経験。データ分析・産官学連携を軸としながら、B2B事業立ち上げ、カスタマーサポート部門立ち上げ、子会社副社長等を歴任。2018年より現職。