TRANS.Blog

経営(ヒト・モノ・カネ)に関して定量的な分析を発信する 株式会社トランスのブログ

「似ているチーム」と「多様性の高いチーム」はどちらが成果が高いのか?

今回は、企業の実データをもとに
「多様性」と「成果」の関係を「チーム」の観点から分析
していきます。

 

「似た思考」と「多様な思考」どちらのチームが成果が高いのか? 

みなさまの会社では「配置」や「異動」を決める際、どのような判断基準をもっていますか?

 

チーム構成を決める際に、
・似た考え方の人でチームを組んだ方が、意思決定が早くなる
・多様な考え方の人でチームを組んだ方が、色々なアイデアが生まれやすい
という異なる2つの話があがることがあります。

 

どちらの話も、感覚としては正しく感じられますが、実際にはどちらの方が”成果”があがりやすいのでしょうか?

 

今回は、「チームの成果(業績)」と「チームのメンバー構成」に注目して、「似た考え方のチーム」と「多様性のあるチーム」のどちらが"成果につながる"チームなのか?を分析してみます。

 

「チームの成果」と「チームの多様性」について

今回の分析では、「チームの成果」を全社横断で共通化するために、「チームの成果」=「マネージャーの評価」と考えます。
※もちろん、「チームの成果」と「マネージャーの評価」が連動しない会社もあると思いますが、「チームの責任者」が「マネージャー」である会社は、比較的「チームの成果」と「マネージャーの評価」は相関関係があるのではないかと考えています。

 

また、チームが「似た考え方」なのか「多様な考え方」なのかを判断するために「適性検査」を使って、チームの「多様性」スコアを計算します。

※チームにおいて、似ている考え方の人が多ければ「多様性」スコアは低く異なる考え方の人が多ければ、「多様性」スコアは高くなります。

 

 

チームの「成果」と「多様性」の関係

ある会社の約50チームのマネージャーについて、「チームの成果(=マネージャーの評価)」と、「チームメンバーの多様性」の関係性を分析してみます。

 

以下のグラフより、
「高評価」のマネージャーのほうが、チームメンバーの「多様性」が高い
ことがわかります。(対象チーム数は少ないですが、統計的に優位な差がありました。)

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すなわち
「多様なチーム」の方が、「チームの成果」(=マネージャーの評価)が高い傾向がある
と言える結果になりました。

 

 

チームの「“短期的”な成果」と「多様性」の関係

次に「マネージャーの評価」として、「短期業績評価(各期の評価)」を用いて、これを「チームの短期的な成果」と仮定し、「チームの多様性」との関係性を見てみます。

 

以下のグラフより、
「短期的の成果」の場合、「高評価」と「低評価」のチームで「多様性」に差はあまりない
ということがわかります。 

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そのため
「チームの"短期的"な業績」には「多様性」の影響があるとは言えない
という結果になりました。

 

まとめ

今回、いくつかの仮定の基での結論ですが、
「多様なチーム構成」のほうが「チームの成果」が高い
※ただし、短期的な成果を目指す場合には、多様性はあまり影響がない
”可能性がある”という結果を得ることができました。
※今回の「多様」は「考え方」の意味です。 

 

一方で、別の分析では、
「1つの会社・チームの高評価者/低評価者 には共通した"考え方"が見られる」
ことも明らかになっています。

 

2つの結論を合わせると
「チームの"軸となる考え方"はそろっており、"軸"以外の考え方は多様」
なチームが、中長期的な成果を上げやすいのかもしれません。

 

 

配置や異動の効果を高めるために、まずは、
チームにどのようなタイプ(考え方)の人がいるのか・活躍しているのか を可視化
するとよいと考えています。

(弊社で開発した適性検査を使った「会社・チームのカルチャー診断・分析」を無料(先着30社)にて承っています。興味を持っていただけた場合には、こちらよりお問い合わせください。)

 

みなさまの会社では、チームを作る際にどのような点を意識して配置を考えられていますか?ぜひご意見をいただけますと嬉しく思います。

 

 

※執筆者:塚本鋭

 東京大学・大学院において、複雑ネットワークや大規模シミュレーションに関する研究に従事。人工知能学会研究会優秀賞・東京大学工学系研究科長賞 等を受賞。 大学院修了後、株式会社野村総合研究所コンサルタントとして入社し、ICT・メディア領域を担当。2013年1月より株式会社クラウドワークスに8番目の社員として参画し、2014年12月に上場を経験。データ分析・産官学連携を軸としながら、B2B事業立ち上げ、カスタマーサポート部門立ち上げ、子会社副社長等を歴任。2018年より現職。